SUS 8F32-0210 電池交換メンテナンス移植
2022.10.11お預かりのSUS 8F32-0210 電池交換メンテナンス&ムーブメント移植。
2本届いたうちの1本で、もう1本は「部品取り用」。
左:部品取り用で「ムーブメント不可」「バックル可」「竜頭無し」
右:使用中で「稼働可能ムーブメント」「バックル不可」「竜頭付き」
ただ右側ですがガラスの傷も多く、右側で生かすのは「文字盤&ムーブ」のみ。
ブレス&バックル&ガラスは「左の物を使用」予定です。
つまりは左の個体に、右の文字盤&ムーブと竜頭(巻芯)を移植する作業になります。
バックルがこの状態では修理は不可で「バックル交換」ですが純正パーツの入手は不可となりますので、部品取り用の個体を入手頂く事で「受付可能」となりました。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
裏蓋のサビも進行しサビで凸凹になっており。これなら部品取り用の個体の方が綺麗です。
赤い絶縁フィルムが見えますので、おそらく発売時から一度も電池交換していないでしょう。
綺麗なムーブメント。電池を入れて動作確認。
こちら部品取り用の個体。(竜頭が付いておりません)
こちらは一度、電池交換されております。
電池を入れて動作確認ですが稼働しません。
竜頭は無いものの竜頭パイプは綺麗な状態。
これが取り出した文字盤&ムーブメントですが竜頭の頭だけが飛んだのか巻芯が残っております。
部品取り用のケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
さてこちら使用側ですが竜頭は生きているものの、竜頭パイプにはサビが。
竜頭の裏側の汚れをチェックして洗浄します。
こちらはもう洗浄しません。
竜頭パイプの裏側は綺麗な状態、よってムーブメントが生きて居たわけです。
裏蓋も洗浄して綺麗になりましたが凸凹は消せないので、やはりこの裏蓋は使用しません。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
部品取り用の裏蓋は綺麗な状態。
パッキンもこちら側の方は劣化無し。
洗浄して左側は更に綺麗になりました。
カレンダー情報を入力して、時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。