TAG HEUER CT-1113 Searacer 電池交換メンテナンス
2016.9.28 お預かりのTAG HEUER CT-1113 Searacer 電池交換メンテナンスです。
2014年にもお預かりのTAG HEUER。
今回は電池交換だけでは無く、プッシュボタンの取付もご依頼ですが
取り付けるだけで直るのか?
外れたプッシュボタンがテープで貼ってあります。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
バネ棒も洗浄して綺麗に。
バンドごと洗浄してバックルの汚れも綺麗になりました。
ラグ部の汚れもチェックします。
さてプッシュボタンですが取付という訳にはいかない様です。
これは部品の交換が必要ですが私では入手不可です。
よって修理センターに送って、修理センターからメーカーへ送ることになるでしょう。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
さて、プッシュボタンですが軸が折れております。
この軸はネジ式で留まっておりネジの部分で折れております。
プッシュボタンを裏側からネジ締めることで引っ張り、抜け落ちない構造です。
ネジが緩んで外れただけなら、プッシュボタン側に穴が空いているはず。
TAG HEUERクラスの時計が「ネジが緩んでプッシュボタンが外れる」という事は
考えられないですが。
と言う事で、組み立てて修理センターに送ります。
ところがメーカーさんの見積もりが出ましたが、費用が高すぎる。
メーカーという立場上、いくらプッシュボタン外れとはゆえ。
返却後、動作不良が出ると威信に関わる。
よって「プッシュボタン交換でお預かりするだけですが、分解修理も必要と
判断されれば50.000円は掛かります。
ただ見積もりで分解しますからキャンセルは効かない」となります。
つまりは「部品だけは出なかった」という訳で返却となります。
これだけ綺麗な時計ですから、使用が出来ないというのも不甲斐ない。
かといってプッシュボタンをそのままにしては、そこから浸水します。
よって私がプッシュボタンをコーキングボンドで固定して固めることに。
修理センターから戻るのに20日を要します。
返却だけに送料を掛ける訳にもいかず他の
修理完了品の便乗待ちをします。
ネジの部分が折れたプッシュボタンの軸。
このままでは、装着しても、軸がプッシュボタンを突きますから軸を少し削って短くします。
裏側からコーキングボンドで塗り尽くします。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。
プッシュボタンを乗せて、周辺をコーキングボンドで固めます。
もちろん機能しなくなりゼロ位置合わせも出来ません。
よってムーブメントを戻す前に、針を摘まんで手動、ゼロ位置合わせ。
時間を合わせて電池交換メンテナンス&プッシュボタン接着完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手可能、それだけの理由です」
更に普通のOリング形状ですから既製品でも太さ・径が近ければ合わせる事が可能です。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手不可です。
よって殆どの電池交換では元のパッキンを再利用する事になります。
また「竜頭のパッキン」もですが、劣化していたとしても放置となります。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出る場合「ムーブメント交換」対応が可能です。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出た場合「分解修理等、対応不可」です。
「パッキン交換」(2016年現在)