TAG HEUER CAC-1110-0 電池交換メンテナンス
2020.11.26お預かりのTAG HEUER CAC-1110-0 電池交換メンテナンスです。
3本届いたうちの1本で、もう2本は「CAF-7111」・「MOVADO Series 600」
竜頭の動きをチェックして。
遊び革の状態もチェックします。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
バネ棒は洗浄します。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になりましたが黒いウレタン・パーツが加水分解でボロボロに。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。
プッシュボタンに当たる部分が錆びております。固着まではいきませんが奥まで押し込めない。
ムーブメント側ですが錆びた粉が散っております。これはメーカーなら間違いなく「要・分解修理」となり、先の竜頭パイプ両サイドの加水分解からもパーツ交換も必須です。更にクロノグラフですから7・8万円は掛かるでしょう。
プッシュボタンの片方が錆びておりますが固着はしておらず押せば効きます。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
黒いウレタン部分が崩壊しております。
プッシュボタンを押してみます。
こちら側は奥まで押し込めません。
プッシュボタンを外してみますが錆が。手作業でサビ落とし。洗浄したいですが加水分解を更に進めるわけにもいかず拭き取ります。
表側は汚れは詰まっているものの錆による固着はありません。
プッシュボタン側もチェックしますが錆は無く。一応、もうひとつのプッシュボタンも外して洗浄しておきます。ついでにグリスアップしておいたのでプッシュボタンはスムーズに押せる様になりましたが状態が良いとは言えず。またプッシュボタンに関しては防水機能は期待しない方が良いでしょう。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
パッキンは潰れており、交換してシリコン塗布をしてケースに戻します。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ゼロ位置合わせが必要です。プッシュボタンがサクサク動くの問題無くゼロ位置合わせ。
この加水分解の部分ですが、プッシュボタンと竜頭のガードの役目ですから無くても操作には問題はありませんが、ガードはしないので「ぶつけたり」する動きには注意が必要です。
ウレタン・バンドは加水分解はせず、洗浄して綺麗になりました。
バネ棒は洗浄して綺麗になったところで。
バンドを取り付け電池交換メンテナンス完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手可能、それだけの理由です」
更に普通のOリング形状ですから既製品でも太さ・径が近ければ合わせる事が可能です。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手不可です。
よって殆どの電池交換では元のパッキンを再利用する事になります。
また「竜頭のパッキン」もですが、劣化していたとしても放置となります。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出る場合「ムーブメント交換」対応が可能です。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出た場合「分解修理等、対応不可」です。
「パッキン交換」(2016年現在)