TAG HEUER CG-1120-0 クロノグラフ電池交換メンテナンス
2017.2.22お預かりのTAG HEUER CG-1120-0 クロノグラフ電池交換メンテナンスです。
2008年にもお預かりのTAG HEUER。
あれから9年が経過、その間タイで生活されていたので現地での電池交換を二回という事で内部のチェックがてらのご依頼です。
竜頭の動きをチェックして。
前回のお預かりで外した1コマも同梱で、今回はメッキが剥がれたコマと入替のご依頼。
針が黒くなっておりますが、これは湿気を吸って紫外線に当たるとこうなります。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
微調整位置をチェックします。
この時計側から3個目のコマを、同梱の金色のコマに入れ替えます。
6時側は金色とシルバーが交互になっており見栄えも良い。
ラグ部のバネ棒も洗浄します。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
入れ替えるのは3コマ目でも、構造上。一番端のコマから分解して外していきます。
裏蓋の裏側もチェックして。たしかに日本語表記ではありません。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。電池押さえの板は二箇所のネジで留まっておりますが
片方がありません。
また竜頭ですが転倒した時に傷つけたという事ですが。
そのキズから腐食が始まり、摩耗してしたの地金が出て来ており。
これではもうダイバー・ウォッチの防水機能は期待出来ません。
竜頭の巻芯から伝って水滴がムーブメント中央部に向かうでしょう。
左のネジが無く、右側も錆びております。
電池格納部をチェクして電池を入れて動作確認。写真は入っていた電池ですが
SR927SWです。この時計の電池はSR936SWですから薄い電池が入っております。
やはり巻芯に水滴が伝ったかサビが浮いております。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。パッキンを外して劣化具合をチェックしますが硬化しており交換時期です。
裏蓋を閉めてまるごと洗浄して浸水が無いかチェックします。
その前に、パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻します。
コマの入替は完了。
6時側はコマの入替やベルト調整はありませんが、緩みがあります。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭も洗浄して綺麗になりました。でも防水機能では交換しないと意味をなしません。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
足りないネジは、こちらで何か合う物で装着しておきましょう。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ブレスも洗浄して綺麗になりましたが、洗浄で○の箇所の
メッキが洗い流されたみたいです。
ベルトごと洗浄でバックルの汚れも綺麗になりました。
バネ棒も洗浄して綺麗に。
コマは全コマ緩みがあり、接着剤補強としておきます。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ゼロ位置合わせを行って。
バンドを取り付け電池交換メンテナンス&コマの入替完了です。
問題無く動きましたが、翌朝7時頃には時間が合っておりましたが
8時過ぎにみると30分くらい遅れており。
遅れたというか30分、止まっていたものと思われます。
クロノグラフですから分解修理は5万円を超えますし
このムーブメント「ムーブメント交換」という手段が使えず。
当面は動作不安定になるかもしれませんが、
あのサビで竜頭を抜いたので仕方が無いでしょう。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手可能、それだけの理由です」
更に普通のOリング形状ですから既製品でも太さ・径が近ければ合わせる事が可能です。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手不可です。
よって殆どの電池交換では元のパッキンを再利用する事になります。
また「竜頭のパッキン」もですが、劣化していたとしても放置となります。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出る場合「ムーブメント交換」対応が可能です。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出た場合「分解修理等、対応不可」です。
「パッキン交換」(2016年現在)