TAG HEUER S29.006M 電池交換&プッシュボタン
2023.3.1お預かりのTAG HEUER S29.006M 電池交換&プッシュボタン修理ですが、その前に。
もう1本お預かりのセイコークロノグラフ「プッシュボタン固着」の案内。
竜頭の動きをチェックしますが正常です。ただプッシュボタンが3つとも固着して不動です。
これがムーブメントですが指紋だらけでかなり触った形跡。またはめ込みの裏蓋を開けるとスペーサーが浮き上がりますから、全体的に階層的に積み上げられたムーブメントが浮いております。
ムーブメント拡大。
作業の都合ムーブメント取り出しが必要ですから竜頭を抜きます。
錆は無いようです。
竜頭の動きをチェックして。
プッシュボタンは押し込まれたまま。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。文字盤が浮いて針に干渉しております。
目盛リングがあるので、そのまま洗浄は出来ません。
プッシュボタンを外します。
錆は無い様ですから、グリス切れで滑りがありません。
この汚れを除去する為に洗浄をしたいですが目盛リングがあるので、そのまま洗浄は出来ません。
プッシュボタンはどれも同じ状態ですからグリスアップで解消出来るでしょう。
パイプに錆はありません。
3つ目のプッシュボタンも状態は同じ。
問題はどうやってケースの洗浄をするか?
ガラス&ベゼルごと外したいですがリスクが大きい。
外し口も無くベゼルを外す構造に無いようです。
プッシュボタンの固着は解消されましたが、何時の間にか秒針が止まっております。つまりは何とか動いていた状態がムーブメント取り出しによって不動になりました。ムーブメントを押し込めば動きますが指を離すと止まります。このムーブメント、分解修理は不可ですからこれ以上は触れません。プッシュボタンの固着解消に手間は掛かりましたが返却となり、費用も頂けず。
そしてもう1本のTAG HEUERセナモデルのプッシュボタン固着。固着は写真でいう「左上」のプッシュボタン1つです。
こちらのプッシュボタンは少し堅いですが押し込めます。
微調整位置をチェックします。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックします。
これがムーブメントですが、こちらは触った形跡がありません。
ムーブメントにツヤがありませんが動作に問題は無さそうです。
ムーブメント取り出しの為に竜頭を外します。
竜頭パイプも、チェックします。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
正常動作する3つのプッシュボタンですが、この状態で何度も押していれば軽くなりました。
固着は写真の左のプッシュボタンですが錆はありません。
目盛リングがあるので、そのまま洗浄は出来ません。
外してみると少し錆びておりますので洗浄します。
プッシュボタンの固定ネジも洗浄します。
バネも洗浄します。
こちらがブラッシングしかできません。
洗浄は完了して綺麗に。
プッシュボタンは直りましたが竜頭を引いたら表示が消えた!これは電池交換で解消し針のデモンストレーションでクロノグラフ針が乱れますので、ゼロ位置合わせ。
時間を合わせて電池交換&プッシュボタン修理完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手可能、それだけの理由です」
更に普通のOリング形状ですから既製品でも太さ・径が近ければ合わせる事が可能です。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手不可です。
よって殆どの電池交換では元のパッキンを再利用する事になります。
また「竜頭のパッキン」もですが、劣化していたとしても放置となります。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出る場合「ムーブメント交換」対応が可能です。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出た場合「分解修理等、対応不可」です。
「パッキン交換」(2016年現在)