TAG HEUER 932.213 電池交換メンテナンス
2017.4.26お預かりのTAG HEUER 932.213 電池交換メンテナンスです。
2013年にもお預かりのTAG HEUER。
今回も竜頭の引き出し・回転ともに動かしずらいという事ですが。
前回と同じくグリス切れか。
問題は今回「針回しが出来ない」という症状は厄介。グリス切れだけが原因ならよいですが。
3本届いたうちの1本。
竜頭の動きをチェックして。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
微調整位置をチェックします。
バックルの汚れもチェックします。綺麗な状態。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。でもパイプや土台部分の金属の表面がザラザラしております。修復には「竜頭パイプ共にケース交換」ですから、そこまで直そうとすれば買い換えが視野に入ってきます。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。
竜頭まわりに水滴が溜まる環境にありますね。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ました。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。動作には問題無いですがやはり「針回しが出来ない」という症状。正確には”逆回し方向だけは動いて、正転が出来ない状態”です。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ベルトごと洗浄でバックルの汚れも綺麗になったところで。
バンドを取り付け電池交換メンテナンス完了です。動作はしておりますがムーブメント交換となります。
針回しの不具合は、一段引きと二段引きが曖昧になっており。
針回しの積もりが、カレンダー早送り。またその逆の操作などで
「カレンダー操作禁止時間帯に強引に回した」という事を無意識に行ってしまった感じです。
カレンダー機構を修理するとなると分解修理。それが費用的にはムーブメント交換の方が早いという事になります。
TAG HEUERでもクロノグラフの時計や、セイコーでは「ムーブメント交換」は出来ない事ですから、このムーブメントでは交換をお勧めしております。
今回はゴールデン・ウィーク前のお預かりですから長くなるでしょう。
2017.5.26修理から「ムーブメント交換」であがってきまして。
発送となりました。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手可能、それだけの理由です」
更に普通のOリング形状ですから既製品でも太さ・径が近ければ合わせる事が可能です。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手不可です。
よって殆どの電池交換では元のパッキンを再利用する事になります。
また「竜頭のパッキン」もですが、劣化していたとしても放置となります。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出る場合「ムーブメント交換」対応が可能です。
このムーブメントは電池交換後に不具合が出た場合「分解修理等、対応不可」です。
「パッキン交換」(2016年現在)