腕時計修理の質問集/機械式腕時計を購入予定ですが注意点は?

機械式腕時計(ゼンマイzenmai)の注意点は? 2004年7月(記述)

機械式腕時計(ゼンマイzenmai腕時計)"メカウォッチ”とも言おります。
今の時代では当たり前のクォーツ腕時計(電池式)とは、構造がまったく別物です。
( 「機械式腕時計とは」こちらにも解説。)

よって一度は「機械式腕時計」でも使ってみるか?とお考えの方。
精度については今の「クォーツ腕時計(電池式)」よりも誤差が大きいですから
注意が必要です。(たまたまクォーツ腕時計と同じくらいに合う場合もありますが)
買ったときはピッタシだったのに、数ヶ月使用したら
”一日に10秒遅れる” と言う事もありえます。
また「腕時計にとって湿気は大敵」といった意味では今のクォーツ腕時計も同じです。
機械式腕時計は「磁気の影響も大」です。
腕時計を「電気製品」(テレビやパソコンなど) の側(そば)や。
まして「磁気製品(磁気ネックレスやブレス)」と一緒に着けるなどは言語道断です。

良くあるのは工場などの大きなモーターが回転する機械の近くで作業される方。
また「麻雀」です。電動麻雀卓は磁気が強く機械式腕時計と相性が悪いです  。
あの”ロレックス”も機械式で有る限りは同じです。

今の「クォーツ腕時計(電池式)」なら”強い磁石”の側で無い限りは
テレビやパソコン程度から発する磁気”は影響はありません。

 

また機械式腕時計でも今から40年以上前の物でアンティークな部類に入る腕時計、
これは同じ機械式でも別物です。
ネットで腕時計の知識もなく「アンティーク腕時計でもひとつ」と、購入すれば
必ず後悔する事になります。
まずアンティーク腕時計と呼ばれる物に「自動巻」は少ないです。
よって「毎日ゼンマイzenmaiを手で巻いて使おります」

また、大まかですが1960年代以前の腕時計は同じゼンマイ式でも
1960年代以後のゼンマイzenamai腕時計よりも「精度が悪い」「壊れやすい」。
(1945年終戦ですから戦後の物資が無い時代に作られた時計ですから)
そういった時代の腕時計ですから、かなり使用については気遣いが必要です。
1960年以前と言えばまだテレビでさえ、どの家庭にも無い時代で、
もちろんパソコンや一般家電製品など無かった時代に作られております。


よって時代背景から電気製品による「磁気」の影響などは想定されておりません。
今の磁気だらけの生活環境の中で使用するには無理があります。
よってアンティークの時計を着けてパソコンの操作などすると、かなり狂いが生じます。
あと磁気を発するものは「テレビ」「電気毛布」「受話器」
「オーディオ」「スピーカー」「シェーバー」「冷蔵庫のドア」「アコーディオンカーテン(DC)」
「家具のドアマグネット」「磁気ネックレス 」「保温トイレ」etc・・
記載していたらキリがないです。


また防水性も「0」ですから汗など夏場の使用にも無理があります。
1960年代以降は標準になってきたショックを吸収する機能さえ無い腕時計もありますので
”少しの高さから落としても壊れるもの”と考えて使って頂いてよいでしょう。
もし壊れた場合の修理は部品交換ですが、別注で作るしか無く、注意が必要です。
当然、修理が不可能な場合も多々あります。

先日、知り合いが「ひとつアンティークでも買ってみるか」と
パソコンの画面を見ていると、商品が汚れた感じがするのでショップにどの程度の汚れか。
何件かに問い合わせをしたそうですが。返事が来ないと言っていました。

これは私が想像するところでは、ショップ側からすれば腕時計の
「綺麗さ」「キズ」の度合いを質問されましても。
購入者がアンティーク腕時計についての知識が何処までお持ちか分からない以上、
そういった質問に回答が出来なかったものと思われます。

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