腕時計のガラス交換について。

納期が掛かる交換について

ガラス交換でも「平丸の既製品」なら私ら職人で無い者でも
直径16mm~33mmまでくらいのセットを持っています。

それ以下や以上のサイズは”時計修理が本業では無い”私などは
職人さんに送ってやって貰います。

平丸でもミリタリー系などは特別大きな物(直経40ミリ以上)に
なるものもあります。

こういうガラス交換の納期は職人さん送りになりますから1ヶ月は掛かります。
納期の内容は時計職人さんから時計ガラス店の間でケースが往復する訳です。
が、そのためだけに発送して往復させると早いですが送料のみで別途1.000円以上追加で必要になります。
数千円のガラス交換で私から職人さん→職人さん→ガラス職人さん。
この関係でスピードを求めるとガラス交換費用の”半分以上は送料”。
こうなっては現実的で無いですね。

そしてカーブガラスなどになると、ガラスの裏側に秒針が当たって
針が動かない場合があります。

横から見て明らかに当たるくらいなら見て分かりますが。
微妙に擦れるかどうかの感じの場合、割れたガラスの中心付近の
欠片でも良いから元のガラスがあれば内側にカーブが必要かどうか
触ってでも判断出来ます。
無い場合にはフラットなガラスを入れてみて試したり様子をみたり
しますから費用や日にちもプラスなるか、それは職人さん次第となります。

良く「元はカーブガラスですが安ければフラットな物で良いです」って
方も居られますが、そうはいかない訳です。

この様なガラス交換は”針とガラスの隙間をチェック”する以上、
ケースのみでは無く腕時計を丸ごと発送して、その都度ムーブメントの
取り出しをやりますから、あまり腕時計に優しくもありませんね。

また、あるガラス店に無ければ、また次の店となりますと
再度「一度、時計ごと見せてよ」となれば、また往復します。

よって”何か他のついでを待って”発送したり。
車で走ったりの場合は”週に一度行く日にちを決めていたり”して
職人さんは動いていますから、どんどん納期が延びて行きます。
軽く1ヶ月になってしまう事もしばしば。
そうしても値段は軽く6000円を超えます。

お客様の顔や声を聞く役目の私などは、この状況はヤキモキします。

カーブガラスや特大ガラスは職人さんが在籍するする所が安いのは当然の結果なのです。

また変形(角形やトノー・楕円)などは交換不可です。
都会ではケースの型取りをして別作してくれる店もまだあります。
そして都会は密集していますから必要な場合はバイクなどでちょっと走ったり出来ますから
納期も早い。
今の時代、ローカルな立地で腕時計の修理を受けるのは不利というか無理が生じてきます。

昔なら修理も多かったですから職人さんは隣の市からでも隔日くらいに
店にご用聞きに来てくれたものです。それでも成り立っていましたし
そうしないと捌けない時代があったのですね・・、それが今の時代は
宅急便に置き換わりましたから仕方が無い。

そういうガラス職人さんでも今の時代せめて五大都市くらいの人口が
なければ需要と供給のバランスが取れないので成り立たないのでしょうね。
当店では2008年以降、時計職人さんが都合が変わったのを期に別作ガラスや文字盤のリダンなどの受付は中止にしました。

修理受付でも時計職人さん・ガラス職人さん・文字盤職人さんなど多く経由する受付は、メールでの受付に無理が生じます。
でも電話で説明していると時間ばかりが取られます。取られても売上になれば良いのですが説明して納得頂いて断っていたら売上にもなりません。かといって説明に時間を取られたので、無理矢理でも受付に持ち込む程、悪人にはなれません。

外注職人さんの単価も上がって来た今の時代。受け付けても、こちらには受付手数料程度にしか成らないものに手間は掛けられないのです。かといって私が十分な利益を乗せてメーカー価格以上になっては、お客様立場の軽視も甚だしい。
手間ヒマ掛けた職人さんが利益を得るのは当然ですが、ただ受付だけした私が利益を得るのは無理な構造になってきました。

「時計修理」で検索上位になる構成でサイトを作り込んで来ましたが現状の流れでは、先ずは”無理な受付の中止”となった訳です。

まだガラス交換や普通のOHの受付はしています。ただ職人さん次第でどうなるか分からない受付は、こちらから見れば安定性がありません。安定性が無いものに重きを置けない訳です。

私の偏見かも知れないですが「私は腕時計の修理依頼は、実際に直している人と会話が出来る」これを重視するべきだと思います。これは私が店の修理を外注するのも同じです。「誰か触っているかハッキリしない所を私は信用しません」

分かりやすい例で言うと。サイトで修理受付をしだすと「OHは他で済ませておりますから今回はガラス交換のみ」(あるいは清掃メンテナンスのみ)といった依頼があります。殆どの場合で触りたくは無い物が多い。何故かと言えば。中にはOH済み直後に送られて来たのに裏蓋を開けると錆びた粉が出て来る物まで。この場合こちらから「OH済みと言う事ですがされていません」とは言えない訳です。無用なトラブルに巻き込まれたくありません。これを「ガラス交換やメンテナンスをやってから、OH後なのに遅れだしましたので責任取ってください」。こうなってはたまったものではありません。

職人では無い私などは「他店でOH後のムーブメントを取り出す修理は無理です」と断るくらいで済みますが。もし職人さんに「他店でOHは済んでます」って言えば怒るでしょう。ハッキリ言って喧嘩売ってますね(v_v)

逆に言えば私などの様に自分が直せない者が修理を受付すると、お客様から見たら第三者に自分の時計が渡る訳で私が言う”会話が出来る人への依頼”には無理があるのでは?そう感じるこの頃ですか。

私を信用して送って頂く訳ですら、私が信用出来ない人には送れない訳です。

自分の腕時計に触る人と会話が出来る。こう決めてかかると私が出来る事は
”電池交換専門”と言う形になって行くのかも知れないですが。

これは決めて掛からなくてもネットという社会が、新たに
どういった形態の商売を作り出すのか楽しみと致しますか!d(^_^)

「自然な形で作り出されて、それで商売が成り立つもの」
それが本物の商売なのでしょう。

「腕時計は時計店で」と叫ぶのは時代錯誤も甚だしい。
電池交換だって「電池交換は時計店で」。恥ずかしいです。
決めるのは消費者であって店ではありません。そんな時代では無いですからね。

言い換えれば自然な流れの中で淘汰されて消える・・・って事も( ̄○ ̄)

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