腕時計修理の質問集/クォーツ時計のステップ運針とは

時計の「コチコチ音」が気になって眠れません/2005年7月(記述)

これはクォーツである限り腕時計でも目覚ましでも同じ。
クォーツ特有の動きで「ステップ運針」の音です。

「ステップ運針」

秒針が”1秒1秒”止まりながらステップを刻んで進む動きのことです。
腕時計の場合は音は小さいですが、掛け時計の場合は耳障りになります。

「スイープ運針」

この”コチコチ音”対策の為に発案された訳ですが。
秒針がステップを刻まずに流れるように運針します。
よって寝静まっても秒針の音が気になりません。
目覚ましに”コチコチ音のしない音の静かな目覚”と表記がありますから、
寝静まった時に音が気になる方にはお勧めです。

「サイレントステップ運針」

2005年現在では掛時計に多く” ステップ運針とスイープ運針”を足した感じです。
ステップ運針と同じように1秒ごとに秒針が一旦停止はいたしますが、
針が滑る様に運針しますからこれも音はまったくしません。

この”サイレントステップ運針”は電波時計の発売と共に発案されたものです。
秒針がステップを踏んで運針すると電波時計内部のアンテナが
この僅かな振動を受信して正確な電波受信の妨害になる為に考案されました。
しかし、その昔。1960年代後半までは目覚まし・掛時計と言えば
”ゼンマイ”だった訳です。
当時の時計の音は今のクォーツとは比較にならないくらい大きな音で
「カッチ、カッチ!」と鳴っていたものです。

当時の時計の音が気になる方は苦労したものと思われますね。

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