腕時計修理の質問集/ワインディングマシーンは必要?2

私が思うワインディングマシーンの使い方。

最近ネットではワインディングマシーンが結構売れているようで、
使い方等の質問があります。

ここでは偏見かも知れませんが、
わたしのワインディングマシーンについての考え方を書いてみたいと思います。

これは以前にも「よくある質問」の所でも触れましたが
自動巻腕時計はワインディングマシーンが必要?←参考。

ワインディングマシーンは常に正常な時間を刻ませる目的の機械では無いのです。
手巻き機構で巻くよりも、また自動巻を手で強烈に振って巻くよりも。
ゆっくりとしたローターの動きで巻き上げる方が時計に優しいから使用する機械です。

”優しく巻き上げる為の機械”と捉えてください。
機械時計は常に動かしておけば”時計の精度を保つ事が出来る”という程、
単純なものではありません。

常に動かして正常動作させて。時計を2年に1度、3〜4万の修理費を出して
定期メンテナンスとしてOHする積もりなら納得は出来ますが。

クォーツでは無い”機械時計は生き物”です。
姿勢誤差・使用温度・湿度・磁気・衝撃度・自動巻上げ頻度。
こういったモノが微妙に影響する生き物です。

例えば機械時計を”土日しか腕に着けない”とします。
そして、常に動いていなければと思い、
使用しない5日間をワインディングマシーン上で常に作動させるとしましょう。

機械時計は生き物です。週の大半をワインディングマシーンで動作する癖が付きます
するとワインディングマシーン上では正確に時間を刻みますが、
腕に着けた時には誤差が大きくなったりします

また腕に着けるという事は「36.5°体温環境です」。
やはり大半を腕に着けてムーブメントに自分の癖を掴んで貰うことが大事ですね。

例えとして、ワインディングマシーン上で正確なのに
、腕に着けたら遅れるとOHに持ち込みます。

職人さんは検定機に掛けると正常なデータが上がって来ます。
でも依頼は「1日30秒遅れる」と言われれば”進む様に調整”するしかありません。
今度は腕に着ければ正常ですが、ワインディングマシーンにセットすれば進んだりしますね。

逆もありえます。腕につければ正常に動くのに、
ワインディングマシーン上で遅れているのでOHに出してしまう場合もあり得ます。

よって腕に着けても、ワインディングマシーン上でも同じ精度を保つ。
そういう発想は現実的ではない
気がします。

「週末しか自動巻時計を使わない方へ」
//私が思う正しいワインディングマシーンの使い方//

使わない日は腕時計をワインディングマシーンにセットしたままです。
毎日仕事から帰ったらワインディングマシーンスイッチオン
とにかく30分ほど腕時計を動作さればOK。時間は合わさないで下さい。

それで腕時計が4・5時間動いて勝手に止まっています。
(4・5時間の動作、それでOK)

月曜〜木曜まで同じ事を繰り返します。

金曜は、朝出勤前にスイッチON。
ここで初めて竜頭を触って腕時計の時間を合わせておきます。
帰宅後もまたON。
(時間も修正します)そして翌朝まで動いてる状態まで巻き上げます。

そして土日と腕に着けて精度の様子をみます。

ここで何故、 4・5時間の動作で時間を合わせないかですが。
手巻き時計で無い限り、腕時計という物は竜頭を頻繁に触る事を前提で作られていない。

ロレックスでさえあのねじ込み竜頭を緩めて、手で巻いて見れば分かりますが、
かなりグラグラ(上下に竜芯がたわむ感覚が)します。
手で巻くときは竜芯を上下左右に振れないように巻きますね。
つまり基本は手で巻かない事が前提です。

本来自動巻は毎日時計を使っていれば時計が止まる事がありません。
朝、時間の誤差分のみ竜頭を2段引きして誤差分(針を1・2分だけ動かす)を修正。
分かりますか?竜頭の動きが極めて少ない事が。これが正しい使い方と思います。

「私の自動巻使用の実態」

私はワインディングマシーンを持っていません。必要性を感じないからです。
自分の自動巻は高額な物は持っていませんが月に一度。
※ 腕時計のベルトを右手でシッカリ持って文字盤が水平になるようにします。
※ そしてケースの竜頭の反対側を”一本締め”の要領で左手の平にぶつけます。

何度かやればコツが掴めますが。
この時、中のローターが動く感覚が伝わらなければ、腕時計に衝撃を与えただけです。
コツが分かればローターが2・3回転した感覚が伝わります。
ローターが回れば瞬間に秒針が動き出します。
勿論、強くぶつければ一挙にローターが10回転くらいします。
しかし、あまり腕時計に良い事ではありません。

※ このローターが2・3回転するくらいの感覚で5回繰り返します。

これで30分くらいは運針します。でも時間は合わせません。
その時の長針の位置だけ確認して15〜20分後、その分だけ時間が合っていればOK。

1日、自動巻を使う時は、この”一本締め要領” で
4・5回ローターを回転させて巻き上げます。秒針が動き出したら時間を合わせます。
そのまま机に置けば30分くらいで止まりますが、
腕に着ければ後は4・5時間もすれば
自然に一杯に巻き上げています。

そして、夜に誤差の確認。日差1分くらいは気にしません。
次回は10秒くらいの時もあります。
使うたびに1分以上誤差がある場合のみOHはせずに、注油のみして時間調整します。
(職人さんが嫌う事で、正しい修理ではありませんが(;^_^A)

それで自分の腕に着けて誤差が出る場合のみOHして貰います。

毎日使うわけでは無いのでOHは滅多にしません。
10本くらいの自動巻を持っていますが、今までにOHしたのは2本のみ。

定期的なメンテナンスをしない理由。
それは自分の腕時計を50年後にも正確な時間を刻ませようとは思わないからです。

個人的には自動巻のハック機能(秒針停止装置)は邪道と思っています。
自動巻しか無い時代で精度を競っていた時代は必要であったと思います。

でも今はクォーツの時代。ハック機能まで使ってメカウォッチの数秒の誤差まで気にしては腕時計が可哀想です。あのテンプが必死に動いている姿をキズミで見ると、今、重度の心不全で入院している母親を思います。不整脈もOK動いていればと。

機械時計は生き物です。環境などの影響で常に誤差が変わるモノです。
寛容な気持ちで使って上げましょう。
こんな事は腕時計を売らないサイトだから言える言葉でもありますね(;^_^A

販売店がこんな事を言えば「言い訳」になるでしょう。(v_v)

 

何だって?

人肌温度を保つ ワインディングマシーンは無いか?

だって!(;^_^A

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