CASIO G-SHOCK DW-5900/914 ガラスの曇り取り
2017.3.8お預かりのCASIO G-SHOCK DW-5900/914 ガラスの曇り取りです。
「この型番でガラスの曇り取りのご依頼」はお断り対象。
「一旦はお断りした時計です」。ご説明でご理解頂けそうだったので
お連絡して一か八かの作業になることをご了解頂き送って頂きました。
古いモデルであろうと「加水分解・ガラスの破損・パッキンの変形・文字盤の変色・変形」が心配ですから「お断りするのが正しい選択」でした。
でも届いてみれば綺麗な状態。これが私に伝わっていれば最初から受けておりましたが。
それは、写真を送られても分からなかったでしょう。
まして「綺麗な状態です」と記載されていても。
遊び革の状態もチェックします。
裏蓋は4本ネジで留まっていて裏蓋記載。
正面から見ればガラスの曇りは分かりにくい状態でしたが。
平置きすると白い部分が目立ちます。
裏蓋の裏側もチェックして。
パッキンが裏蓋に付いてくるというのは、未使用に近く放置期間が長い証拠。
裏蓋を開けるとスペーサーが電池を覆っております。
これがムーブメントで。
これが取り出した液晶&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。この黒いプラスチックの文字盤ごとガラスを押し上げます。
その前にベゼル・カバーを外しますが。普通はここでベゼル・カバーが加水分解で割れます。余りにも想定外なくらい状態が良く。これなら脱着くらいで割れる事は無いと判断。
ベゼル・カバーを外せばガラスの曇りが凄く気になります。
文字盤ごと外します。もちろん状態が悪いとガラスが割れます。
プラスチックのガラス・パッキンが変形してガラスは戻せなくなります。
分解状態で「ゴメンナサイ」と返却する事になります。
文字盤は真っ黒でスッキリ!
黒い物の上に置けばいかに曇っていたかがわかります。
それよりもこのガラス、抜くときに想定外の軽さ。
つまり、ケースの膨張か・パッキンの収縮か。兎に角、ガラスとケースの摩擦が少なく甘いです。これは修正のしようが無く。これでは湿気が入るのも頷けます。
文字盤を先にケースに戻します。
ガラスの装着は完了ですが。本来はプレス器で分厚いガラスが割れるかギリギリの圧力を掛けて装着します。ところが指でプレス器のダイヤルを回しただけで入りました。
これならプレス器を使わずとも、指で押しても入ったでしょう。
よってガラス面に水滴が掛かる行為をすれば「またガラスは曇ります」。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。
バンドを取り付けガラスの曇り取り完了です。
はやり現物を見てみないと分からないと、いうのが感想ですか。
無事に完了する要素は殆ど無く、もう98%は無理だろうという判断でしたが。
でも最悪は「送料のみのお振込」を頂く訳で、親切かご迷惑か紙一重でした。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。