SEIKO Dolce 8J41-6190 電池交換メンテナンス
2018.3.16お預かりのSEIKO Dolce 8J41-6190 電池交換メンテナンスです。
竜頭の動きをチェックして。
ステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。
微調整位置をチェックします。
文字盤の汚れの除去もご依頼です。
たしかに粉のようなものが散っております。
その前に、これは「ガラス外れの前兆」です。
バックルの汚れもチェックします。綺麗な状態ですが。
バックルのバネ棒の汚れから、全体的には相当な汚れであったものと思われます。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。裏蓋の錆びもすすんでおります。
裏蓋を開けると耐磁プレートがムーブメントを覆っています。
これがムーブメントで。
裏蓋の裏側もチェックして。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。ケースもサビが凄いですがガラス側と、裏蓋側の両方からの浸水の痕跡があります。
特に12時側からの浸水が大きい様です。
洗浄の前に、ガラスを内側から指で軽く押すと簡単に外れました。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭パイプ周辺は綺麗な状態で。
12時側は洗浄でもこれが限界。
ガラスの接着は完了ですがガラスが凸レンズになっており、周辺部ほど薄い構造です。
よって接着面がかなり少なく接着強度が気になります。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻します。
バネ棒も洗浄して綺麗になりました。
バネ棒も洗浄して綺麗に。
文字盤の色が濃いだけに完璧に除去は難しい。
時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
翌日、接着強度をチェックの為に裏側から押してみれば簡単には外れないものの。
ガラスが浮き上がりますから、接着のし直しが必要です。
ただ、ガラスの接着でも強力なタイプの接着剤が必要ですが
最近の時計の構造から使用することも無く持ち合わせがありませんから
注文することになります。これで本来なら数日の発送予定が、納期は1週間伸びます。
強力な接着剤が到着。
再度、接着しなおし完了。24時間で固まります。それでも接着面が僅かですから
高温になれば裏側から押さえれば外れるレベル。
ただ、時計ですから使用中に裏側から押されることは無いので大丈夫という発想でしょう。
お預かりが長くなりましたが、電池交換メンテナンス&ガラスの接着しなおし完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。