LUKIA 7T92-0BN0 電池交換メンテナンス
2020.12.10お預かりのLUKIA 7T92-0BN0 電池交換メンテナンスです。
電池交換メンテナンスでご依頼ですが、非常に綺麗な状態。
竜頭の動きをチェックして。プッシュボタンは2つとも固着して動きません。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックしますが錆びた粉が散っております。またパッキンが硬化して裏蓋と一体化しております。これは外す事が厄介でしょう。
これがムーブメントですが電池が入っておらず。
ムーブメント拡大。竜頭回りが湿気の痕跡がアリアリと。
電池が入っていないパターンは不動のパターンですから。先ずは電池格納部をチェクして動作確認。
よく見ると竜頭の根本、プッシュボタンの裏側には茶色い錆が固着しております。
ただ電池を入れると問題無く動きます。
竜頭の動きをチェックしますが綺麗な状態。不思議ですね・・・何故?
巻芯の根本は錆びております。
竜頭パイプも綺麗な状態ですから一度、ケースの洗浄はされております。ただプッシュボタンはそのままだったのでしょう。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
目盛リングはのせてあるだけです。
プッシュボタンが当たるレバーが茶色く錆びております。
これはこのままになります。錆を削るとムーブメント内に飛んでもいけません。最悪は細い金属部品が折れたり曲がっても困ります。
ケースの内側もチェックします。プッシュボタンの裏側の錆は綺麗に洗浄されております。
固着部分までは削り取っておりませんが。
左側のプッシュボタンは内側から押し出せましたが、右側が動かない。先ずは洗浄します。そして注油して浸透するのを待って押し出しますが何時間か掛かるか。
パッキンを外しましたが外したというより、そぎ落とした感じです。
3時間掛かって何とか押し出せました。
一部、バネが固着しており洗浄でほぐします。
バネを折らずに外すことが出来ました。
プッシュボタンが入っていた穴が錆びております。
もう一度洗浄します。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたが・・・・ガラスが無い。
洗浄器の底に沈んでおりましたので後で接着します。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になりました。
プッシュボタンも洗浄して綺麗になったところでケースに装着します。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
グリスアップして装着ですがストロークがスムーズでは無く。プッシュボタンのパイプをヤスリで軽く削り錆によるバリを削ります。
ガラスの接着は完了。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池を入れて動作確認。
これでも洗浄して綺麗になりました。
パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻し。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ゼロ位置合わせが必要です。
ゼロ位置合わせを行ってプッシュボタンの動作確認。時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。