クロノグラフの「0位置調整」の方法と出来ない時のチェックポイント。

0位置合わせは裏蓋を開けて行わない。「針のずれ」は(ボタン操作で合わせます)

クロノグラフの腕時計で「小さい針がずれたので修理」という修整依頼があります。

わざわざ預かる程の事では無い症状で「0位置合わせ」という作業で行います。
この0位置合わせを
「裏蓋を開けてリセットしてから時計の内部操作で行うもの」

と勘違いされた方に多い依頼です。

0位置合わせで「裏蓋を開ける必要性は無しです。」
「0位置合わせ=針のずれ修整」
プッシュボタンでしか合わすことが出来ません。
そして時計が動いていると言う事は電池はあります。
それでプッシュボタンを押してクロノ針が動かなければ故障です。
その場合は修理は不可ですからメーカーへ送ってください。
時計が動いていない状態、 つまり「電池切れ状態で0位置合わせは出来ません。」
ゼロ位置合わせの前に先ず電池交換が必要ですが、電池交換ならこちらで出来ます。

もしプッシュボタンで0位置合わせが出来ない場合はメーカー修理のみとなります。
メーカーではおそらく要OHとなりますから
タグ・ホイヤーなら5万円くらいは掛かりますか。

「下記に0位置合わせの方法を記載しておきます。

簡単に説明すると竜頭を1段引いて(カレンダー修整状態)で、
AかBのボタンを押してみれば何処かの針が動きますから分かります。
次に2段引いて(針回し状態)で同じ操作です。

各、竜頭位置で各ボタンを押して動く針が修整出来ると言う事です。

そして「6時位置の小針=秒針」これは秒針ですから何時も動いている針です。
秒針ですから止めるのは竜頭の2段引きか電池切れでないと止まりません。

あとはボタンを押せば所定の位置の針が1目盛ずつ進みます。
長く押せば早送りで針が高速で回ります。

タグ・ホイヤーの場合は押せば「カクン」と感覚が伝わりますが
堅いですからシッカリ押しましょう。
タグ・ホイヤー以外の 2万円までくらいのクロノグラフは
「ムニュ」と押しますがあまり力は要りません。

私らでも0位置合わせが上手くいかないからといって
裏蓋を開けて点検する事はありません。
全て裏蓋を閉めたままボタン操作でチェック出来る事だからです。
つまり送って頂かなくてもご自分でチェックや修整は出来るという事になります。

「0位置合わせが出来ない時のチェック方法」

例1

例えば0位置合わせでAボタンをプッシュしても動かない場合ですが、
そういう時は一度竜頭を通常位置に戻します。
そしてAボタンを押してストップウォッチをスタートさせます。

ストップウォッチがスタートしたらAボタンは効いている訳です。
物理的には問題ありません。
それで0位置合わせが出来ない場合、内部で電気的に機能が壊れています。

次にもう一度Aボタンを押せばストップウォッチが止まります。
そして次にBボタンを押せば全ての針が回り出してリセットします(0位置に戻ります)。
リセット出来たと言うことは、つまりBボタンも効いていて異常は無いという事になります。
それで0位置合わせ操作の時のみBボタンが効かない場合は内部で壊れています。

セイコーキャリバー「7T32」ですが普通の0位置合わせタイプ。

これ針がたくさん見えますが左は秒針で下はアラーム時間。
つまりクロノ針はずれた2つしかありません。
クロノ針が2つでボタンは2つですから分かりやすい。

ハイ修整完了。

例2

これはタグ・ホイヤーでは無いですが。
どうしても一つの小針が動かない場合があります。
その場合は0位置合わせの各竜頭位置とボタン操作で
「長押しで早送りさせます」すると他の針が連動して動き出す場合もあります。

連動して動くとは、ある針が一周すると横の針が1目盛進むです。
よって0位置まで送るには相当長くボタンを押すことになります。

セイコーキャリバー「V657」ですが、これが連動タイプ。

一番大きな(一番上の針)は秒針ですから小さい針3つがクロノグラフ針。
○の箇所の針が1目盛進んでいますが、これを0位置合わせするためには
先ずは竜頭を2段引きにしてからボタンを長押しして下の□の針を
グルグル回すと1週で○の箇所の針が1目盛動きます。
よって0位置まで進めるには逆回転しない以上は相当□の針を
グルグル回す必要があります。

ハイ完了。クロノ針が3つなのにボタンは2つですから兼用するボタンが必要になる分、操作は複雑になります。

 

中にはクロノ針2つでボタンは1つと言うパターンも同じです。

タグ・ホイヤーには「クロノ針4つにボタンも4つ」と言う物もあります。

「例3〜8は次のページで」