冷え込むと止まる腕時計/クォーツは寒さが苦手?

2004年7月(記述)
以前にも「腕から外すと遅れるクォーツ」で紹介しました。

寒くなると電池交換して数ヶ月なのに「遅れる」とか「止まった」などの
症状が現れます。

この事から”クォーツは寒さに弱い”と言えます。
時計店で陳列された腕時計は痛んでいないですから寒さで止まる事はありません。

店頭に電池交換で持ち込まれた腕時計はその場でお渡ししますから
交換後の症状はわかりません。
お客様のご意見を聞いて初めて分かります。
そこでスイス・ムーブメントの腕時計が良く持ち込まれるので
腕から外すと遅れるクォーツ」で紹介しました。

サイトで預かりの電池交換は翌日までは机の上にあります。
土日を挟むと数日、置いたままになります。
2006年12月17日(日曜)はお休みでしたから店の暖房は付けておらず。
そしてこの日は夕方から、かなり冷え込んで来ました。
天気予報も夜の冷え込みを伝えていたくらいで。
翌朝、関西は軽く霜が降りた程度ですが底冷えした感じでした。

そして私の修理机の上や周りには電池交換でお預かりしている
腕時計が多数置いてあります。殆どが電池交換をして動いている腕時計ですが。

その朝は「3つも止まっておりました」。
普段なら電池交換さえすれば後は順調に動く腕時計が99%です。
それが冷え込むと止まる確率が増えます。

止まっていた3つのウチ、2つの時計は”止まっても仕方がない”という状態。
1つは以外状況でした。2つの止まっても仕方が無いという腕時計は。

※ 電池交換した時に動かなかったけど注油で動くようになった。
※ 電池交換した時に動かなかったけどしばらくして動き出した。
※ 電池交換した時に動かなかったけど秒針の歯車を送ってやって動き出した。

など、電池を入れたのみでスムーズに動き出さなかった腕時計です。

 

止まっていた2つは以前にも紹介のスイス・ムーブメント。
でも薄型クォーツでは無くダイバータイプです。

もう一つは新品同様ですが雑貨ウォッチ「SHIOJIRI」ムーブメント。
これが止まったのは意外でした。
国産ムーブメントで、痛みも無い状態で寒さで止まる事があるという事実。

今朝、冷えた店内に入ったのが午前7時。
そして現在9時30分、2時間半経過して暖房が効いてくると机の上の腕時計は、
いつのまにやら動き出しております。
新品に近い雑貨ウォッチは止まったままです。

やはり”クォーツは経年劣化でで寒さに弱くなる”って性質があるようです。

もし昨日、発送していたら・・・お客様の元に到着した時は止まっている事になります。
店頭持ち込みの電池交換なら「あそこの電池は古いのか?」と思われても仕方がない。

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