古いクォーツの分解修理/2004年7月(記述)

「古いクォーツ」と「オールド・クォーツ」とどう違う?も。

写真の時計は2016年5月のお預かりで、外観も綺麗で痛みも見られず綺麗な状態です。
電池交換で問題無く動きましたので分解修理までは不要でした。

このムーブメントなら1980年代でしょうか、このムーブメントを見て分かるように
金属パーツの組み合わせで丁寧に作られております。
これだけ丁寧でも当時20.000円〜30.000円くらいだったと思おります。
金属パーツを組み立て作られておりますので勿論「分解・部品交換」も可能となる構造です。
ところが分解修理直後であっても、電子部品が不具合を起こせば交換用パーツは年代から存在しません。

よって分解修理に掛けた費用は無駄に終わります。
綺麗な状態であっても分解修理までして動かすには覚悟が要ります。
この年代の時計は今のように「ムーブメント交換」という訳にもいかず。

 

どうしても直すなら中古パーツを探す訳ですが、
メーカの部品管理されているような所には無く。
古い時計をひとまとめにした山の中から探すしかありません。
その都合から時間や費用は読めません。
見つかったとしても30年くらい前の中古パーツですから
交換・装着して動いても動作保証さえありません。
それに30.000円くらいの予算を付けて頂けるなら、修理センターさんに頼んでみます。

お客様の使用目的が分からない場合は「普段使用」と考えます。
普段使用となると、あとから責任が取れない以上は
「お断りしておく方が無難となります」。

それが「修理可能であっても受付出来ない」お断りする理由であります。

コレクションの一つで保管するために「綺麗に洗浄のみ」というご依頼。
それなら3.100円で受付は可能です。

この時計は「SEIKO CHARIOT 6431-5050」という名前でご依頼です。
でも普通は「SEIKOの時計」とかでご依頼が来る訳で。
名前だけでお申込された場合は、年代や錆び具合等が分からないまま。
到着して現物を見てから手を付けないで返送する事は良くあります。
つまりお客様に取っては「無駄な往復の送料だけ払わされた」という結果に。

そういう理由で古いタイプの時計でも
「分解修理が必要であろう場合はお断りしております」
「このページを見て了解したので、ダメ元で30.000円までの予算なら」と
お申し込み頂ければ受けますが、決して「お勧めは出来ません」。
相談されたら断る方を選択します。

このサイトの開設当時(2004年)とは、修理する側の事情も
お客さまの反応も変化してきております。
こちらのサイトに届く時計は「基本、他店やメーカーでは断割られる時計」が多いです。
それを受ける訳で、最近は安全に受付出来る物が少なくなりました。

メーカーさんなら部品を持っており「部品を替えることが可能」です。
費用が高くても安心して依頼が出来ます。
メーカーさんが受付け可能なら、高い見積もりでもそちらがお勧めとなります。

こちらで安く済まされるなら、リスクはお覚悟ください。「メーカーで断わられた」と言われれば、わたしもダメ元ですから大胆に作業できるかも知れません。

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