オークション4話

オークション開始と言っても何が売れるか分かりません。分かったとしても2000年当時の私には調達に走り回る体力も資本もありません。よって先ずは持っている商品からスタートです。そして手近に仕入れ出来る物に限られてくる訳です。

私の店の取り扱い商品は国内時計メーカー「SEIKO/CITIZEN/ORIENT/リズム時計」のみです。これは直取引ですから口座を持っています。またメーカーの腕時計でも”スタンダードタイプが殆ど”。客層に高齢者が多いからです。よってクロノグラフや当時でも流行ったメカウォッチは扱っていません。

あのG-SHOCK全盛期にもG-SHOCKは扱っていませんでした。それだけカシオの初期の腕時計が雑貨ウォッチらしかった感覚が抜けなかったからです。”所詮電卓メーカー”といった感覚ですか(当時は頭の古い親父感覚)。よってカシオとは現在も取引はありません。

19990年代でG-SHOCKを扱わない時計屋です。でも1998年頃から大阪の雑貨問屋経由でたまにG-SHOCKも仕入れて販売していた事もありましたが、思わぬ売れゆきに驚いたような、すっとこどっこいな店であった訳です。

では主力商品は何だったのか?

これは何と”O 社のスタンダードクォーツ”です。

セイコー・シチズンも取引はあります。でも1980年代半ばですか、国内主要メーカーの合理化が進み取引先を「訪問店と非訪問店」に差別化しました。基準は私などでは分かりませんが半期での仕入れが300万くらい(月に50万くらい)ですか。これをクリアーしないとセールスは小売店に訪問はしません。つまり口座だけあって仕入れは通販です。

もちろん卸価格も業界最高の仕切り値で高いです。その状況で通販状態の仕入れでオークションに出品して売れる程甘い世界ではありません。その形態でオークション出品して成り立つのは”訪問店”。つまり月の仕入れ金額が軽く100万円を超える店でしょう。

そしてこの頃から支払いは振り込みでは無く”引き落とし”になりました。もっともセールスが訪問する高額な仕入れがある所は別のようです。これはメーカーとしては当然の方針でしょう。少額の仕入れ店が多数存在しては事務管理が大変です。それを合理化して主要取引先に人員を当てたいと思うのは当然です。時計に限らずどこのメーカーも同じとは思いますが。

1990年当時のセイコーやシチズンは強気の商売です。業界内で”月に10万の仕入れが無い所はセイコーのカタログさえ送らない。欲しければ有料で買え!”って噂が流れたくらいです。またセイコーの部品やバンドを購入する部署も別になりました、それまでは商品と同じように電話で注文すれば月末締めで請求されていましたが、この頃から私の様な”しょぼい時計店”には「先に2万円振り込んでセイコーにプールしてください」でなければ部品の供給は出来ませんと。(今は昔同様、商品と一緒に引き落としですが)当時はクォーツが当たった後のセイコーはかなりの強気の商売です。今も基本は変わりませんが。

私の父も時計店をしていますが、未だに機械時計時代のメーカーとの栄華を語ります。その感覚は消えないのですね。ハッキリ言ってセイコーは月に10万も仕入れがない店は取引先なんて思っていません。切る訳にもいかず自然減を待ってる状態ですか。これはオークション全盛期。セイコーの仕入額が増えてもオークション業者?として軽く扱われて来た体験からそう思う訳ですが。セイコーさんに相手にして貰うには”品”が大事なのです。Cooの腕時計的ノリでは・・・ダメですね(=^^=)

そこへO 社は当時の仕入れが毎月5〜10万くらいの私の様な店でも訪問してくれていました。支払いも月末の引き落としではなく毎月1/3入金でOK。

条件面でかなりやりやすい訳です。よってセイコーやシチズンに見切られた感の私の店は1990年代からはO 社ショップみたいになって来ます。もちろん機械時計など売れる環境ではありませんからクォーツのみ。

機械時計を置かないO 社ショップ?(お笑いショップですね)

この1990年代には皆さんもご存じですが腕時計は家電量販店が扱いを始めます。この流れは以前にベルト調整の「スライドバンドの廃れた理由」ところでも触れましたが、この頃から国産時計を中心に扱う”町の時計屋”は終わっていましたね。

さぁ、そんな環境でオークションで生きて行けるのか?

兎に角は、手持ちのカシオ製品は売り切りました。かといってカシオは問屋通しですから仕入れしてまで出品してもオークションで通じる価格では利益なんて出ません。後の手持ちはセイコーやシチズンの”スタンダードクォーツ”。試しに出品して見ましたがオークションでは全く見向きもされません。(年に数個は売れましたが)

所詮はココまでか・・・・と、思った時でした。続きへ

このオークション話は、ある一通のメールから始まった・・

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