腕時計の修理の質問集/腕時計のガラスの内側が曇ります。

腕時計を腕に着けるとガラスの内側が曇ります/2004年7月(記述)

「ガラスの内側が曇りますので拭いてください」と言った依頼が良くあります。

実際に「腕時計のガラスの内側が曇る例」はこちらで。

原因は「入った湿気が体温で暖められて蒸汽になり内部に溜まっております」
これはガラスの内側だけ拭いても意味がありません。
何故かと言えば、腕時計の中は湿気が大敵。
ガラスの内側が曇ると言う事は腕時計内部に湿気が溜まった状態です。
ガラスの内側は内部の一部に過ぎません。

分かりやすく言えば「風呂場」を想像して見てください。
風呂場が時計の中身全体と考えます。
風呂から上がるとドアの内側が曇っておりますね。
浴室に湿気が残った状態でドアの内側の水滴だけ拭いたとします。
でもドアを閉めればすぐに曇ってきますよね。
つまり浴室内部全体を乾燥させないとドアの内側だけ拭いても意味がありません。こ
れと同じ理屈になります。

 

腕時計の内部に湿気が入ると言う事は。
浴室内に金属の部品で構成された機械が置いてあるのと同じです。
腕時計のガラスの内側が曇った場合は当然、ムーブメントも湿気ておりますから。
まずムーブメントをケースから取り出してすぐに分解して湿気を取る事が先決です。
次は腕時計のケース内部を乾燥させます。

次に湿気が付いたムーブメントを「分解掃除」しないといけません。
湿気で錆が浮いて来たら修理は難しくなります。
また精度も出にくく交換が必要な部品も出てくるでしょう。

ただ腕時計の分解掃除は「¥4.000〜数万円」になります。
「記念品や形見」で無い限りは分解掃除するか、買い換えるかは
購入された金額と相談 といった判断になります。

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