SEIKO CREDOR 5A74-0050 電池交換メンテナンス
2018.9.11お預かりのSEIKO CREDOR 5A74-0050 電池交換メンテナンスです。
5本届いたうちの1本。お申し込み時点で写真は無く、時計名と希望作業の羅列。
これでは具体的な作業が頭に浮かばず、受付出来るかどうかの判断が出来ません。
一応、お断りして「お任せ頂くコース」か「写真」でもあれば判断が出来るお伝えし。
いっそ「電池交換3本、出来れば洗浄も希望」とかの方が受けやすい。
基本、詳細な作業内容の記載や、ご希望事項が多いご依頼は
間違いの元なのでお断りする事に決めております。
お断りするご依頼の半分以上は、受付可能な物でしょうが、文字が多いと。
特に箇条書き事項が多いと、凄い神経質な人に感じるので、間違いなくお断りしております。
売上よりトラブル回避が優先です。
写真を撮っておけば作業が内容も一目で分かり作業が進みます。
「CREDOR・ガラス付け・ベルト調整・ボームメルシー」
竜頭の動きをチェックして。
ステンレス無垢バンドに両開きバックル。コマの隙間にはサビがびっしりで
洗浄のし甲斐がありそおうですが、裏蓋の4本ネジがやばそうです。
これ1本だけのご依頼なら、間違いなくお断りしていたでしょう。
Cリングピンで留まっておりますがサビで埋まっております。叩いても、びくともせず。兎に角、洗浄してみるしかありません。
ブレスを外したいですがバネ棒も錆びて外せず。格闘の痕跡が見えます。
バックル部分から外します。
これが一番手っ取り早い。
裏蓋は4本ネジで留まっていて裏蓋記載。
3本は外れましたが、1本は不動。というか錆びた他の3本と同じ力で回せば折れました。
これでは抜きようが無く、このままになります。この状態が納得いかない方が多いので時計店は断っておくほうが無難となります。「出来ない」と逃げておくでしょう。
分解修理に繋がらない、電池交換しても不動の確立、クレームになる確率を考えれば触る理由が無い時計となるのがこのタイプ。無責任な当店だから出来る作業となります。
ネジは洗浄しないと戻せないでしょう。
裏蓋の裏側もチェックして。このサビは削りとしてから洗浄します。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
作業の前に電池を入れて動作確認。動きました!
「要・分解修理」の状態ではありますが、分解修理は勧めない店です。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。この文字盤の日焼けは触れません。
ケースの内側もチェックして。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。ただサビによる凸凹は仕方が無い。
洗浄してもラグ部のバネ棒は不動です。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
裏蓋も結構凸凹としております。
パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。
ネジは洗浄して綺麗になったところで。
裏蓋に取り付けますが。
1本はネジの頭が折れており。裏蓋のこの部分は浮き上がりますので隙間が出来ます。
よって隙間はレジンで埋めて簡易、防水機能としておきましょう。
バックルの汚れも洗浄して綺麗になりました。
時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。