SEIKO デジタル D229-5000 電池交換メンテナンス
2020.3.3お預かりのSEIKO デジタル D229-5000 電池交換メンテナンスです。
11本届いたうちの1本で、他は「デジタル2本」+「アナログ・デジタル」+「Baby-G・DataBank」
竜頭の動きをチェックして。
ステンレス板巻きバンドに三つ折れバックルはオリジナル。
微調整位置をチェックします。
バネ棒が汚れており洗浄します。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントですが本来の物とは違う電池が入っております。薄い電池が入っているので電池が浮いて、表示したり消えたりしていたようです。
これが取り出した液晶&ムーブメント。
こちらは液晶側。
ケースの内側もチェックしますが綺麗な状態。
裏蓋を閉めてまるごと洗浄して浸水が無いかチェックします。
ただ曇りが出ますから防水機能は期待出来ません。それよりも前面のモードボタンが洗浄で外れました。これは困った、このパッキンはもう存在しませんし取付が出来ない。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
さて加水分解で崩壊した黒いパッキン。
触ると見る見る崩壊していきます。
パッキンの下には金属プレートが。
レジンを流してプッシュボタンとの絶縁を図ります。
同じくレジンで固定して、プッシュボタンが効くのか確認します。
プッシュボタンでモードの切り替えも可能で、竜頭操作での時間合わせも可能。となると、このレジンの仕上げでは、見栄えが悪過ぎる。
一旦、塗り固めたレジンは綺麗にそぎ落とします。中の基板もチェックします。
再度レジンで固めて接着剤の代わりとします。元が黒い色ですから見た目が変わります。
次にブレスが余りにも伸びているので、板巻の広がりを締めていきます。
1コマずつ、締めて完成。
さて洗浄して綺麗になりましたが。
いびつな湾曲、これでは留まらないでしょう。
また丁番部分も曲がってピンが抜けますのでかしめます。
こちらの丁番も曲がって下りますので修正。
時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。2021年にもお預かりすることに。
そしてもう1本、A547-5020電池交換です。
プッシュボタンの動きもチェックして。
ステンレス板巻きバンドに三つ折れバックル。
微調整位置をチェックします。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。綺麗な状態です。
ケースの汚れを拭き取り電池格納部をチェックします。
パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。
時間を合わせて。
バネ棒も洗浄して綺麗になりました。
全体的にツヤが出て綺麗になったところで。
バンドを取り付け電池交換メンテナンス完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。