ベルト交換工具-こじ開け
ここでは腕時計のベルト交換を、電池交換の時に使う工具で作業してみましょう。
これは本来、腕時計の電池交換の時に裏蓋を開ける「こじ開け」という工具。
ですが私の、お気に入り工具!
何故、これが良いかと言うと腕時計用ドライバーやバンド外し専用工具は
先端が小さいので力が加えにくいのです。
この様に腕時計を机に置いて左手で固定。
右手で腕時計のケースとバネ棒の隙間にこじ開けを差し込みます。
このこじ開けも○の部分は机に付けておりますから上下に工具がぶれないのです。
あとは親指の動きだけですから実に簡単!
私の場合この方法なら皮のベルト交換は10秒で完了します。
(お客様からは手品に見えるらしい)
ただ、この方法は初心者にはお勧め出来ません。
それは交換の際に腕時計本体が動くとガラス面にキズが付きます。
また、このこじ開けを差し込む角度次第でベルトを切ってしまおります。
もちろんケースにキズが付く可能性も大。
その為に私は、この「こじ開け工具はベルト交換専用」に
刃先を少し鈍くしております。
普通は道具の手入れは鋭利にしますが、この工具は逆ですね。
この工具でのベルト交換は、ベテランのパートさんでも真似しようとはしません。
店のパートさん達を見ていて不思議なのがベルト交換にも慣れた
ベテランのパートさんは皆「腕時計用精密ドライバー」での作業を好みます。
先の「先端が二股になった」専用工具も使おうとしません。
腕時計用ドライバーが一番、使いやすいそうです。
ボクにとってはベルト交換に間違っても使わない工具なのですが。
人それぞれって事ですね。2004年7月(記述)・2017.6.15修正