腕時計のベルト・バンド調整/板バネの調整方法

時計のベルト調整としては、今迄一般的であった「板バネ式」の解説です。
このタイプかつては普及していたタイプです。
ただ、あまり高級な腕時計には使われていません。
それだけコストを下げる事が可能な構造の為に安価で仕上がる訳です。
安価に仕上がる分、このタイプのベルト調整はコストが掛かっていない分、
以外に手強いです。でも、このわたしの解説で簡単にしてみましょう!。

腕時計ベルト調整板バネ式工具の当て方

この写真は前章で言った「正しいベルトの調整側」とは違いますね。
反対側を外していますが撮影の都合上で何ら意図はないです(;^_^A 。

まず○位置の様に「↑」がありますから、その方向にピンを抜いて行きます。
写真の工具は「千枚通し」ピックです。
(ただ、千枚通しやピックでは先端が鋭利過ぎて使いにくく少し先端を削っています)
この千枚通しを穴の開いた所に差し込んで「↑」の方向にピンを押し出します。
ピンの頭が4mmほど出て来たら、後は指で引き抜くのみ。
これで下記写真のようになれば、後は同じ様に必要な個数のコマを外します。

腕時計ベルト調整板バネ式分解

この様にピンを抜けば、後は下記写真

腕時計ベルト調整板バネ式ジョイント構造

このように爪で引っ掛けてあるのみ簡単に外れます。この
写真を見れば板を巻いて(曲げて)繋いであるのが分かると思います。
よってこのタイプのベルトは「板巻き」と呼ばれます。
では板巻意外に何があるか?それは「無垢バンド」ですね。
ただ形状は色々ありますから、ちょっと参考迄に紹介。

腕時計ベルト調整ジョイントタイプ1

腕時計ベルト調整板バネ式ジョイントタイプ2

腕時計ベルト調整板バネ式ジョイントタイプ3

腕時計ベルト調整板バネ式ジョイントタイプ4

腕時計ベルト調整板バネ式ジョイントタイプ5

ご覧の様に色々です。問題は上記解説で「後は、指で引き抜いて・・・のみ」
と書いたのですが、実は全てが指では引き抜けないのです。
そうであれば時計店は何の苦労も無く助りますが。
現実はそう甘く無いですね。
上記写真で「15」「16」などは千枚通しを差し込むスペースがあるので簡単です。
しかし 「17」「18」「19」は隙間がないので難しいタイプです。

腕時計ベルト調整板バネ式ベルトサイド

上記写真「○」位置の様に、引っかかる凸の部分が大きいものや、小さいものがあります。
この凸の部分が小さくて、千枚通し(ピック)を入れる隙間が狭いほど難易度が高い。
そんな時、この私は自作の工具でやってしまいます。

腕時計ベルト調整板バネ式工具刃先

これは腕時計専用のペンチ「ヤットコ」と言います。
本来この工具は刃先が「左右対称」なのですが私が
「板バネのベルト調整」専用に削ってしまったのです。(上記写真、右側)
こんなの昔の腕時計職人さんが見れば。
「いったい道具を何と!心得とるのじゃ〜〜!!」の世界なのでしょうが。
そんな説教はこの私には通用しない!実利主義。
作らなくても最近は楽天でも ヤットコで出てきます。
「その他腕時計修理工具も」。では、これをどう使うかと言えば。

腕時計ベルト調整板バネ式工具の当てがい方

こんな様に当てがって、刃先の削った方(下)をピンの凸に当てがい、
後はグリップ部を握るだけ。

腕時計ベルト調整板バネ式工具の動かし方

正しく作業すれば、こうなります。
ただ、ここまで押し出しても指で引き抜ける物は30%くらい?
指で引き抜けない場合、その時はどうするか?

腕時計ベルト調整板バネ式ピンの引き抜き方

この様に、先の細いペンチに持ち換えて「○」位置を支点に引き上げます。

後はまさしく指で引き抜けばOK!あと、このピンを戻すのに、
まず指や金属の板で押し込んでも入らない物が多いです。
やはり腕時計専用ハンマーで叩くしかなさそうです。
以上で「板バネ式ベルト調整」の解説を終了しますが、如何でした?ご理解頂けたました?

さて次は「割ピンの調整方法」といきますか。今もっとも多いタイプですよ!
以下は「コラム」ですからご興味のある方はどうぞ!


ちょっと千枚通しでの追記を記載。
腕時計ベルト調整板バネ式工具腕時計ベルト調整工具先端
このようなグリップの太い物が使いやすいです。
先端はここまで削ります。まさしく「板バネ用工具」
腕時計ベルト調整板バネ式工具使用例1腕時計ベルト調整板バネ式工具使用例2

この用に突いてから、コジ上げますね。
腕時計ベルト調整板バネ式ピン外し 腕時計ベルト調整板バネ式分解
ここまで行けば指で外せる物も。

腕時計ベルト調整板バネ式組み立て腕時計ベルト調整板バネ式組み合わせ
最後は金槌で「コンコンコン!」中には「うぉりゃぁ〜〜〜!」と叩かないと行けない物もありますね(;^_^A

「余談」

ちなみに、この写真ですが。
この様に、形状が同じバンドなら色違いでも繋ぐことは出来ます。
これ、うちのパートさんがベルト調整の練習がてら作った作品?(;^_^A